最終更新日 2024年06月22日
キャッシュフロー経営
キャッシュフロー経営は東京の英知コンサルティング株式会社へ。キャッシュフロー経営とは、フリーキャッシュフローの最大化を第一とする経営手法です。これこそが経営の大目標であり、中小企業こそキャッシュフロー経営の導入を推奨します。
キャッシュフロー経営とは、キャッシュ即ち現金・預金の額を増加させることに重点を置いた経営手法です。現金・預金を増加させることを目的としているため、利益の拡大、資金調達、税金の最小化やリストラなどすべての取引が、キャッシュ即ち現金・預金の額を増加させるための手段になります。
キャッシュフロー経営の本質は、発生した利益と実際に残っている現金を明らかにし、把握することです。現金の増減を重視し、発生した利益と現金の関係から経営状況をひも解きます。
現金の調達や使い道などはキャッシュフロー計算書で知ることができますが、貸借対照表や損益計算書も必要です。
キャッシュフロー経営は、現金の増減を意識するだけでなく、現金を生み出すことも重視した経営です。
利益ではなく、実際に手元に残る現金を生み出し、確保することに重点を置き、経営を考えていきます。
利益を追求することも大切ですが、手元にキャッシュを持つことも経営では重要です。キャッシュを生み出さない事業は資金繰りを厳しくします。
この点から、現金を生み出すことを重視して資金繰りの安定した経営を目指すのがキャッシュフロー経営です。
キャッシュフローとは、一定の期間において、どれだけのキャッシュ(現金・預金)が流入したのか、どれだけのキャッシュ(現金・預金)が流出したのかの資金の流れです。
キャッシュ(現金・預金)の流入をキャッシュ・インといい、キャッシュ(現金・預金)の流出をキャッシュ・アウトをと言います。
このキャッシュ・インとキャッシュ・アウトの純額をキャッシュ・フローといい、貸借対照表の期首の現金・預金残高と期末の現金・預金残高と連動しています。
「キャッシュフロー経営」と「従来型の経営」の違いを一言でいうと、手元資金を確保し、さらに手元資金を増やすことを経営の第一目的とすることにあります。
「従来型の経営」では、商品を掛で販売した際の会計処理は、貸借対照表に売掛金を計上し、損益計算書には売上高を計上しますが、キャッシュ(現金・預金)の動きを把握するためのキャッシュフロー計算書には反映されません。
一方では「キャッシュフロー経営」では売掛金が発生した時点ではなく、キャッシュ(現金・預金)で回収した時点を基準とするため、資金の動きを把握することができます。
損益計算書の利益は実際の資金の動きであるキャッシュフローを反映していないため、「利益は意見、キャッシュは事実」とも言われます。利益とは企業会計の仕組みから考え出された概念であるため、実際のキャッシュ(現金・預金)の流れとは違ったものとなります。
「キャッシュフロー経営」を意識することで、会社の体力の源泉である資金を増やしていくことができます。資金を確保することは、「利益第一主義」から一線を画すことになります。
企業活動においてキャッシュ(現金・預金)が重要とされる理由は、企業は売上を現金・預金の形で回収して初めて利益を実現できるからであり、新たな投資を実行して持続的な成長を図るにはキャッシュ(現金・預金)が不可欠だからです。
キャッシュ・フロー経営では、売掛金が発生した時ではなく、現金・預金で回収した時を基準とするため、資金の動きを把握することができます。そしてキャッシュの中でも、本来の事業活動から発生するキャッシュの流れのうち、成長維持のために必要な投資を行った後に残るキャッシュであるフリーキャッシュフローが企業価値を高める原動力となるのです。
つまり、フリーキャッシュフローの最大化こそが経営の大目標にのです。
①金融収支前経常利益の最大化
②売上金早期回収
③税金の最小化
④設備投資の選別
などを実践していくこと要です。
安く作って高く売り、早くお金を回収して余分な税金を支払わないことで、キャッシュを最大化することができるのです。フリーキャッシュフローを改善するための経営努力は必要ですが、減ってしまうことを恐れ有益な投資の機会損失は、将来のキャッシュフローを悪化させる可能性もあります。
「キャッシュフロー経営」とは、「キャッシュフロー計算書」をもとにキャッシュフロー(現預金の収支)に着目した経営管理の方法です。
「キャッシュフロー」とは、お金(キャッシュ)の流れ(フロー)のことです。企業会計では、企業にお金が入ってくることを「キャッシュイン」、お金が出ていくことを「キャッシュアウト」と表現するため、キャッシュフローは次のような算式で表現することができます。
キャッシュフロー = キャッシュイン(入ってきた現金)
- キャッシュアウト(出ていった現金)
財務三表のひとつに、「キャッシュフロー計算書」があります。キャッシュフロー計算書は企業の活動を3つに分類して、キャッシュの出入りを示した計算書です。金融商品取引法が適用される上場企業などには作成義務がありますが、中小・中堅企業や個人事業主には作成義務がありません。
しかし、キャッシュフロー計算書は、資金不足になっていないかを的確に把握できる計算書です。キャッシュフロー計算書の作成は粉飾が難しく、資金調達の評価に活用できることから、中小・中堅企業こそ作成意義が高いと考えられます。
キャッシュフローを把握する目的
「キャッシュフロー計算書」は、会計基準により、作成基準が設けられています。これは、キャッシュフロー計算書によって、投資家や利害関係者に有用な情報を提供するためです。
企業の規模や法人や個人を問わず、キャッシュフローを把握することの意義は、時間差などによる利益と現預金収支のズレを把握し、経営に生かすことです。キャッシュフローを把握する目的は、作成したキャッシュフロー計算書をもとに、将来の資金計画を策定することにあります。
例えば、黒字倒産で典型的なのは「売上債権の回収が遅れて、過去の大型投資に対する借入金を返済できなくなる」というケースです。これを予防するためには、借入金の返済スケジュール、利息の支払いスケジュール、投資のスケジュール、未払金の支払いのスケジュールなど、詳細な計画を定める必要があります。
キャッシュフロー経営のメリット
資金ショートとは、手許の現金が不足することです。経費の増加や売掛金などの売上債権未回収の増加などが原因で資金ショートが発生します。キャッシュフローを把握することは、資金繰りを予測し、資金ショートを防ぐのにたいへん有効です。
キャッシュフローの把握は、売上に対する売上債権回収の回収率、売上債権の貸倒(回収できない可能性が高いもの)を早い段階で把握することに役立ちます。早めに現金化する対策などを取ることで、手許現金を増やし健全な資金繰りに活かすことが可能です。
資金繰りが悪化すると、金融機関等から思うように融資を受けられなくなる可能性があります。資金繰りを把握して、必要な対策を取ることは、設備投資や事業拡大のための資金調達を円滑にするのにも役立ちます。
キャッシュフロー経営のデメリット
キャッシュフロー経営では手元資金を重視するため、営業活動で得たキャッシュフローの範囲内で投資活動を行うことが基本です。安定性の面では望ましい判断ですが、収益性の面では機会損失となる可能性もあります。
「キャッシュフロー計算書」とは、期首からどのようにキャッシュが出入りしたのか、期末の残高はいくらか、を計算するための会計書類です。
キャッシュフロー計算書では、キャッシュの変動要因がわかるように、年度単位など、ある一会計期間におけるキャッシュの変動を、営業取引・投資取引・財務取引の3つに区分して表示します。3つの構造に分けてキャッシュの流れを把握することで、キャッシュの増減理由を明らかにすることが可能です。
なお、キャッシュフロー計算書で把握するキャッシュとは、現金あるいは現金等価物を指します。現金はもちろん、現金化が容易な普通預金や当座預金、流動性の高い3カ月以内に満期日が到来する定期預金や、3カ月以内に償還日が来る公社債投資信託などです。原則として、換金が難しく、価値の変動の激しいもの、繰延税金資産のような換金価値のないものはキャッシュに含まれません。
また、キャッシュフロー計算書に関連して、「フリーキャッシュフロー」という言葉がありますが、これは会社が自由に使えるキャッシュを指します。フリーキャッシュフローからわかることは、投下資金が本業によりうまく回転しているか、投資余力があり事業成長の可能性があるかなどの「企業価値」を表します。
営業キャッシュフローとは、営業活動に関係するキャッシュの流れを示したものです。
本業の営業活動では、仕入代金や人件費などがかかり、販売代金やサービス料を回収できます。
こうしたお金の出入りを示したのが、営業キャッシュフローです。
営業キャッシュフローでは、売上代金を回収することでキャッシュ・インが、仕入れ代金や給料の支払いでキャッシュ・アウトが発生します。
そのほかにも受取利息や配当金、保険金の受取、法人税の支払いなども営業キャッシュフローとして扱います。
キャッシュ・インからキャッシュ・アウトを引いた残高がプラスになっていることが、一般的には本業の営業活動が順調に行っている証拠です。
ただし、営業キャッシュフローがプラスでも、営業利益よりキャッシュフローが少ない場合、何らかの問題を抱えている恐れもあります。
投資キャッシュフローとは、投資活動に関係するキャッシュの流れを示したものです。
投資活動でも、営業活動と同じくキャッシュインとキャッシュアウトがあり、随時現金が増減しています。投資キャッシュフローは、固定資産や設備の取得や売却が対象です。
営業活動で必要となる建物・事務所・工場・車両などを購入するとキャッシュは減り、これらを売却するとキャッシュは増えます。
投資キャッシュフローは営業キャッシュフローとは異なり、マイナスとなるのが一般的です。
マイナスは少ないほうが良いものの、円滑な経営のためには投資も必要であるため、基本的にゼロ〜プラスにはなりません。
営業キャッシュフローと投資キャッシュフローを合わせたものは、フリーキャッシュフローと呼ばれます。文字通り、自由に使えるキャッシュ(現金)という意味です。
財務キャッシュフローは、営業活動と投資活動のために調達、または返済された資金のフローです。資金の調達方法や資金の使い道を把握するために使います。
財務キャッシュフローでは、営業キャッシュフローや投資キャッシュフローのようにプラスになるほうが良い、マイナスの少ないほうが良いと一概にいえません。
財務キャッシュフローのプラスには借入金や株式・社債発行などの資金調達、マイナスには借入金返済や配当金の支払いなどがあります。
借入金によってプラスが増えたとしても、返済能力以上の借入金があるのは健全とはいえません。
財務キャッシュフローでは、その内容やほかのキャッシュフローとのバランス、経営状況なども合わせて判断することが必要です。
例えば、企業の成長局面においてキャッシュフローがプラスであるのは、将来を見越して資金調達を積極的に行っていると考えられます。
この場合には、借入金が多くても前向きな資金調達なので問題ありません。
しかし、財務キャッシュフローがプラスで、営業キャッシュフローがマイナス、投資キャッシュフローがプラスの場合、事情が少し変わります。
この場合には、本業では利益が出ておらず、その穴埋めのために資産を売却するなどで現金を調達していると考えられます。
営業活動による キャッシュフロー | ・本業の営業活動で得たキャッシュの増減を示す ・事業が好調であればプラスとなり、マイナスなら事業で得られる収入 より支出が大きいと判断できる |
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投資活動による キャッシュフロー | ・投資活動で生じたキャッシュの増減を示す ・固定資産や設備への投資を行えばマイナスとなり、設備や車両などを 売却するとプラスとなる |
財務活動による キャッシュフロー | ・資金調達や返済など財務活動のキャッシュの増減を示す ・借入金を返済するとマイナスとなり、融資や出資を受けるとプラスと なる |
財務三表 | 貸借対照表 | 損益計算書 | キャッシャフロー計算書 |
---|---|---|---|
作成目的 | 資産と負債の管理 | 収益と費用の管理 | お金の出入りを管理 |
わかること | 財政状態 | 経営成績 | 現金の流れ |
内容 | 資産-負債=純資産 | 収益-費用=利益 | 期首のキャッシュ残高 ±期中のキャッシュ増減額 =期末のキャッシュ残高 |
期間 | 年度(四半期) | 年度(四半期累計) | 年度 |
資金繰りの悪化 | キャッシュフローが悪化すると、従業員の給与や買掛金の支払い、借入金返済などの支払いができなくなる可能性が高まり、資金調達方法などを検討した対策が必要になります。 |
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投資活動の停滞 | キャッシュフロー悪化により、手許資金での投資が困難になる可能性が高まります。生産性向上に向けた設備や研修・教育制度などにお金を費やすことができず、企業の成長が停滞する可能性が高まります。 |
黒字倒産リスク | 通常、会社の倒産は債務が返済不能となることから起き、現金収支が赤字の場合に生じます。しかし、損益が黒字であるにもかかわらず倒産してしまうケースとして、手許資金が枯渇したときが挙げられます。キャッシュフロー悪化により、たとえ利益が出ていても倒産する「黒字倒産」を招くリスクが高くなることに注意が必要です。 |
(1)損益計算書の税引き前当期利益
(2)減価償却費や未払費用など現金で支払っていない費用
(3)支払利息
(4)運転資金の増加額
(5)設備投資額(投資キャッシュフロー)
(6)支払税金
(1)+(2)+(3)-(4)-(5)-(6)
フリーキャッシュフローは企業の実力を示す指標です。多ければ経営状態が良い企業だと判断でき、少ないと経営状態が悪化している企業だと判断できます。
自由に使えるお金であるフリーキャッシュフローが多ければ、借入金返済や株主への配当もでき、事業拡大に向けた投資活動を行うことにも使うことができます。
フリーキャッシュフローの管理は、中小・中堅企業の経営者としてたいへん重要な責務です。経理担当者任せにせず、経営者自身が「キャッシュフロー計算書」を正しく理解する必要があります。
キャッシュフロー経営は、利益よりもキャッシュを増やしていくことに重点をおいた経営手法です。中でも、営業キャッシュフローは必ずプラスとなるように健全な営業活動をして利益を出すことで、健全な投資活動をすることができます。
財務キャッシュフローでの借入金に頼るのはできる限り避け、利益を出すこと、会社のキャッシュを増やしていくことが確実にできていれば、会社の経営は安泰だといえます。
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・等松青木監査法人(現 有限責任監査法人トーマツ
/会計士補・公認会計士・税理士)
・東証JQ 精密機器(常務取締役 兼 CFO)
・東証JQ 小売(常務取締役 兼 CFO)
・東証一部 商社(代表取締役副社長 兼 COO)
・当社 代表取締役社長兼CEO(現任)
<学位>
博士(法 学)東京大学大学院 法学政治学研究科 博士後期課程修了
博士(経営学)一橋大学大学院 経営管理研究科 博士後期課程修了
修士(経済学)慶應義塾大学大学院 経済学研究科 博士前期課程修了
修士(心理学)早稲田大学大学院 人間科学研究科 博士前期課程修了
<登録可能資格>(現在、未登録の資格)
公認会計士、司法書士、弁理士、不動産鑑定士、中小企業診断士、社会保険労務士、
宅地建物取引士、公認内部監査人、CFP、臨床心理士、税理士 他
代表取締役 社長兼CEO
代表パートナー
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<専門分野>
経営戦略、営業戦略、マーケティング、間接部門改革、法務、財務、
金融、会計、税務、監査、事業承継、IPO、資産運用、不動産、
組織構築、人事制度、人事評価制度、目標管理制度、コーチング
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