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最終更新日  2024年04月13日

目標管理制度構築(MBO)

目標管理制度(MBO)とは、個人別またはグルーブ別に目標を設定し、目標に対する達成度で評価を決定する制度です。

経営学者、ピーター・F・ドラッカーによって1950年代に提唱された組織マネジメントの手法です。上からの命令ではなく、社員自らが自身で目標を決定する制度です。

目標管理制度とは

MBO(目標管理制度)とは、社員に個人目標を設定してもらい、その進捗や達成度合いによって人事評価を決めるマネジメント方法です。もともとはドラッカー氏の著書『現代の経営』内で発表した概念です。

MBOは「Management By Objectives」の略で「目標による管理」と訳されます。MBO(目標管理制度)は、日本では既に8割の企業で導入されています。

MBO(目標管理制度)には、ポイントは2点あります。

一つ目は、社員に設定してもらう個人目標が、上流にある「組織目標」とリンクしている必要がありす。MBO(目標管理制度)には、社員に組織の一員である自覚を持ってもらい、個人と組織の成長を同時に達成させる狙いがあります。そのため、組織全体の目標に対して、より貢献性を感じられるような内容の個人目標の方が望まれるのです。

二つ目は、個人目標は社員本人に設定してもらうことです。
ドラッカー氏も著書の中で「Management By Objectives through Self Control」と述べている通り、Self Control=自主管理」が何より重要な要素になっています。これを外すと、単なる企業のノルマ管理に陥りかねません。目標管理制度において上司はサポート役で、社員の進捗を確認して助言する役割です。自主的な目標設定が社員の意欲を育みます。

上司が一方的に部下の目標を決定するのではなく、上司と話し合いを重ねながら、個々人が、組織のベクトルに沿った個人目標を設定します。これにより「やらされ感」が減少し、「組織目標に貢献している」という経営参画意識を持たせることができるので、個々人が意欲的に目標達成に取り組むことができます。 

個人目標のポイントは、①明確で具体的な目標、②適正な目標レベルの設定、③時間軸の設定、④目標を達成するための方法(6W2H)の明確化、⑤組織目標達成のために、自身の使命を考えながら目標設定することにあります。

MBO(目標管理制度)のメリット・デメリット

MBO(目標管理制度)のメリット

会社や部門の目標とベクトルを合わせられる

MBO(目標管理制度)は、会社や部門などの組織目標を達成するために、社員が自分の貢献できることを目標として設定する制度です。目標を設定したら、上司に相談し、承認を得て、適切でない場合は見直しをます。

そして、目標達成を目指して活動をして、達成できたかどうかで評価がおこなわれます。組織目標に基づいた個人目標を設定するため、会社や部門の組織目標とベクトルを合わせられるメリットがあります。

自主管理によるマネジメントができる

MBO(目標管理制度)には、「目標と自己統制によるマネジメント」という意味があります。上司が一方的に指示をして業務を遂行させるのではなく、社員一人ひとりが組織の目標について考え、自ら目標設定をおこない、自主性や自己統制に基づいて業務を遂行していきます。

目標達成はPDCAサイクルを繰返し実行することが基本なので、セルフマネジメント(自主管理によるマネジメント)のスキルが向上します。

モチベーションを高められる

人は、自分自身で目標を定め、計画を立て、実行しているという感覚があるときに内発的動機を得やすまなります。

内発的動機とは、報酬や賞罰といった外から与えられる動機ではなく、心の内側に起こる充実感や達成感、自己成長感のことをいいます。MBO(目標管理制度)は、社員が自ら目標を決め、実行するため、「やらされ感」が減少します。内発的動機が高まりやすく、仕事へのモチベーションを上げる効果があります。

社員のパフォーマンスと能力を同時に向上できる

目標を達成するためには、多角的な視点が必要です。

例えば、財務の視点(目標とする売上高の数値)、顧客の視点(目標を達成するために顧客にどのようなサービスを提供するか)、プロセスの視点(その目標をどのような方法で実現するか)、人材の視点(その目標を達成するためにどのような人材・能力が必要なのか)などです。このような多角的な視点を取り入れ目標達成を目指すことによって、社員のパフォーマンスが上がり、能力の向上が期待できます。

人材育成効果

MBO(目標管理制度)は、目標の達成度によって評価を行ないます。自ら立てた目標に対してどのような成果を上げることができたのか。達成できたことと、達成できなかったことが明確になるので、上司は人事評価がしやすく、部下も自分の改善点や努力の方向性を理解しやすくなります。即ち、本人も上司も客観的な評価が可能になります。

目標と成果を照らし合わせた振り返りができるので、上司は的確なフィードバックがし易くなり、人材育成の面でも高い効果を発揮します。

MBO(目標管理制度)のデメリット

社員が自由に目標を設定できない

MBO(目標管理制度)は、社員が自ら目標を決める制度ですが、自由に目標を設定できるわけではありません。会社や部門の目標を達成するために、自分が貢献できることを目標として設定します。
 

MBO(目標管理制度)の本来の意味や目的が正しく理解されていない場合や、ミッション、ビジョンなど、会社が目指す目標や方向性が社員に浸透していない場合は、目標を自由に設定できないことに対して社員が不満を持つことがあります。

定量的目標を設定する必要がある

「〇〇ができるよう努力する」「効率化する」といった達成基準が曖昧な目標(定性的目標)を設定してしまうと、部下は「達成した」と思っても、上司は「達成していない」と判断し、低評価を受けた社員が不平・不満を持つ場合があります。

MBO(目標管理制度)で重要なのは、到達点が明確な定量的目標を設定することです。例えば、営業だったら「売上前年対比110%」とか「新規受注先を3件増やす」など、客観的に測定できるものに設定する必要があります。

目標達成率を意識過ぎると、低い目標設定になる

MBO(目標管理制度)の目的は、社員一人ひとりの組織への貢献度を評価し、処遇に反映することです。人事評価に反映されるため、目標達成率を意識し過ぎると、低い目標を設定しがちです。

一方で、達成不可能な無謀な目標を設定すると、給与ダウンなどによって社員のモチベーションが低下する恐れがあります。達成可能でありながら、社員の成長も促す、適切な難易度の目標を見極めることが、上司の重要な役割となります。

協調性とチームワークが低下する場合がある

個人の成果を意識し過ぎた目標設定は、協調性やチームワークが低下する場合があります。上司が自身の成果だけに腐心し、部下の面倒を見なくなるなど、個人主義が助長されるケースも少なくありません。

MBO(目標管理制度)の本来的目的は、組織力強化です。上司は、部門としての目標も設定する、動機づけや進捗管理、人材育成など、マネジメントにおける目標を設定するなど、属性ごとに目標設定の工夫が必要になります。

MBO(目標管理制度)の運用方法

運用の流れ

1.全社目標を設定し、全社員と共有する

MBO(目標管理制度)の基点は全社目標です。社員が個人目標を設定する際も、全社目標の達成に貢献できるような内容を考えます。そのため、先ずは経営層が経営目標を決定し、管理職と共有します。管理職は部下に対して全社目標と部門目標の内容や意図を伝え、個人目標の指標にしてもらいます。

2.社員に個人目標を立ててもらう

上司は、社員に個人目標を立ててもらう際は、客観的評価ができるかどうかを考慮し、内容が「具体的かつ定量的か」をチェックします。また、本人の意欲を持続させるため、目標の「実現可能性」「目標が低過ぎないか・高過ぎないか」を確かめることが重要です。

身の丈よりも少し高いレベルの目標であれば、社員もより意欲的に自らが立てた目標に取り組むことができます。更に上司は、目標を達成するための具体的な行動も一緒に決め、本人が取り組み易いように支援していきます。

3.上司は部下の進捗を管理し、適宜軌道修正を行う

上司は「目標を設定させたら、あとは評価まで放置する」では、不十分です。従業員が目標達成に向けて困っていることがあれば、上司が適宜相談に乗ってあげます。また、目標の軌道修正が必要であれば、そのサポートもします。できるだけ上司が毎週・毎月といったペースで面談することで、社員の意欲を持続させることが可能です。

4.上司は部下を評価し、本人にフィードバックを行う

評価期間に入ったら、上司が客観的に結果を評価し、必ず部下にフィードバックします。その際、部下が評価に納得し、次のアクションを取りやすいように、評価の理由を丁寧に説明することが重要です。評価次第では、評価を受ける側は悔しさを感じることもあるので、先ずは本人の頑張りに対して労いの言葉をかけることも大切です。

運用のポイント

1.社員の自主性を尊重する

MBO(目標管理制度)について、ドラッカー氏も「自主性こそ重要」と説いています。自ら目標を決め、自律的に努力しながら達成へ向けて取り組むことで、より大きな成長が期待できます。そのため、社員にノルマや成果を押しつけるのではなく、本人が「こうありたい」と思う姿を実現できるような目標を自分自身で設定することが大切です。

2.社員の自主性を尊重する

MBO(目標管理制度)では、評価者である管理職の客観的な評価が求められます。そのため、達成目標がより具体的な方が判断も下しやすいでしょう。例えば、「受注高は3,000万円/月」「受注件数は10件/月」などのように、定量的に示されている方がベターです。社員自身も、達成に向けて努力しやすくなります。

3.目標は、高過ぎず、低過ぎず

MBO(目標管理制度)の懸念点として、報酬を上げるためにあえて「達成できて当たり前」な目標を設定する人もいます。ただ、低すぎる目標では、目標管理制度の本来の目的である「従業員の成長」につながりません。そのため、「頑張れば届くレベル」「高すぎず低すぎないレベル」の目標であれば、本人がより強く成長を感じられるでしょう。

4.組織目標と個人目標の連携

日本労働経済雑誌の調査によると、MBO(目標管理制度)で従業員のモチベーションを高めるには、「組織目標との関連性」がひとつの条件になります。そのため、組織目標を見据えたうえで個人目標を立てることが大切です。その方が、従業員としても「自分は組織の中で重要な存在である」と認識でき、達成感を味わいやすいでしょう。

5.プロセスも評価する

評価を受けた社員のなかには、自分が何故「A評価ではなく「B」評価なのかと悩む人もいます。MBO(目標管理制度)はどうしても客観的な点数だけがあとに残るため、やや冷たい印象を受ける社員もいるのです。そのため、評価に至った理由も上司が丁寧に説明することが重要です。

また、フィードバック面談の際も「業績的には届かなかったけど、架電数を増やそうとした努力はすごく評価している」といったように、プロセスも褒めてあげることや従業員がまた次に頑張ろうと思えるように、上司が親身にフィードバックすることが大切です。

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このページの監修者

清水 一郎

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代表取締役 社長兼CEO
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・等松青木監査法人(現 有限責任監査法人トーマツ
   
/会計士補・公認会計士・税理士)
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・東証JQ 小売(常務取締役 兼 CFO)
・東証一部 商社(代表取締役副社長 兼 COO)
・当社 代表取締役社長兼CEO(現任)

<学歴>
博士(法 学)東京大学大学院 
博士(経営学)一橋大学大学院
修士(経済学)慶應義塾大学大学院
修士(心理学)早稲田大学大学院

<登録可能資格>
公認会計士、税理士、司法書士、弁理士、不動産鑑定士、中小企業診断士、社会保険労務士、

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