最終更新日 2024年08月17日
どのような業務においても、マニュアルの存在は必要不可欠であす。なぜならば、作業内容や成果物の基準を統一しなければ、個々の解釈やスキルに左右されて仕事の成果が均一化されないおそれがあるからです。
例えば、営業活動には、見込み顧客の獲得や提案資料の作成、商談の準備や契約のクロージングといったさまざまな作業が存在します。これらの作業を円滑に進める上で、マニュアルが存在しない場合「次にどう動けばよいかわからない」「優先順位付けができない」といった混乱を招きます。
そこで、各業務を進める上で「提案内容をシステムに必ず記録する」「失注したらその理由をメモしておく」といったマニュアルを設定しておけば、経験の有無にかかわらず各人が次にやるべきことや優先事項を管理者へ確認せずに進行できます。
マニュアルの作成にあえて労力を割き社内へ定着させることには、業務上のトラブルを予防しつつより円滑な業務遂行を実現するといった、確かな価値があるという考え方もあります。
業務マニュアルを作成するメリットは、主に「業務効率の向上」「仕事の品質の安定」「属人化の防止」「教育コストの削減」などがあります。
どのような仕事でも個々人の理解度や経験、スキルの違いによって達成度に差が出ます。マニュアルを作成することで、業務における行動や判断基準が明確化され、不要な確認やチェック、指示待ちといった状態を回避することができます。
その結果、業務の属人化も防ぐことができ、さまざまな作業の内容や進捗状況の見える化と、他者との共有が可能になります。
さらに、マニュアルを整備することで、教育コストも大幅に削減できます。入社したばかりの新入社員や、他部署から異動してきた社員は、新しく行う仕事の流れをつかむまでに時間がかかります。基本的な事項などは可能な限りマニュアル上で説明することで、よりスムーズに業務内容の習得や引継ぎが可能になります。
業務マニュアルを作成するデメリットは、主に「社員が業務に対して創意工夫をしなくなる」「マニュアル作成に労力がかかる」「作成しても活用されず形骸化してしまう」などが考えられます。
従業員がマニュアルを重視するあまり、記載された内容しか対応せず、業務の質を向上させるような工夫を行わなくなる可能性が考えられます。さらに、マニュアルでは想定されていない緊急のトラブルなどが発生した時に、適切な対応方法がわからずに社員が混乱するケースも考えられます。
効果的なマニュアルを作成するには、作業手順だけでなく、業務の目的や全体像、目指すべきゴールなどがわかるように記載することが重要です。
また、一からマニュアルを作る場合は相応の労力と時間がかかります。マニュアル作成を担う部署などがない場合は、従業員が自分の仕事と並行して作成する必要があるため、通常業務が圧迫される可能性も考えられます。
「5W1H」とは、Who、When、Where、What、Why、Howをまとめた略語で、「誰が・いつ・どこで・何を・なぜ・どのように」といった意味です。
5W1Hはビジネスにおいて、ほかの人に何かを説明する時に欠かせない視点だと考えられています。
業務マニュアルの作成時にも「5W1H」を意識して盛り込むことで、内容をよりわかりやすく読み手に伝えられます。
例えば、「誰のためのマニュアルか」「いつ、どこで、何をするのか」「どのように業務を行うのか」などといったように、業務の順序をまとめていくと読みやすいマニュアルを作成することができます。
マニュアルを作成する時は特定の業務の方法だけでなく、各工程のプロセスやステップを流れに沿って図式化する「フローチャート」を入れると視覚的にわかりやすくなります。
例えば営業の仕事を簡易的なフローチャートにすると、「資料収集」→「アポイントメント」→「スケジュール設定」→「商談」→「見積もり」→「受注」などと表せます。業務の全体像が見えるようになると、その業務に関係するほかの部署との連携もとりやすくなります。
マニュアルは、従業員が特定の業務に対しての対処法を探す時にも使われます。その時に便利なのが、目次です。マニュアルの最初に目次をつけておくことで「何がどこに書かれているか」が明確になり、従業員が素早く確認することができるでしょう。
加えて、文字のみが並んだ状態では読み手を疲れさせる可能性があるため、誰が読んでも同じレベルで理解できるよう可能な限り一文を短く区切り、難しい用語を使わずに書くことがポイントです。
マニュアル自体は、「業務内容や手順をわかりやすくまとめたもの」に過ぎません。そのため、マニュアルを上手に活用している企業は、マニュアルをうまく運用できている企業ということになります。「どのような目的でマニュアルを作成したのか」「マニュアル作成後、どう運用するのか」といった点をよく理解して、意識的に取り組んでいる企業です。
業務の標準化や効率化、見える化など、マニュアル活用によるメリットは、一見すると地味で保守的な印象と受け止められるかもしれません。
しかし、マニュアルを最大限に活用することは、会社や業務の現状に満足せず、「人手不足に陥ることなく優秀な人員を増やす」「新事業に挑戦する」など、企業が新たなステージに進むための重要な施策です。
反対にマニュアルを整備せず、人も増やさず、業務もそのままで回していくことこそが、保守的な姿勢であるといえるのではないでしょうか。組織を成長させ企業が新しいステージに進むためにも、社内の業務体制にメスを入れてマニュアルを整備することは、必要不可欠な施策といえます。
マニュアルを作成している企業の担当者は、業務の個人依存・属人化を解消したいと考える傾向があります。「業務が特定の社員に集中するようになったため、個人依存を解消したい」「明文化されていないノウハウを社内全体で共有したい」という目的から、マニュアルを作成しています。
また、「社員が増えて業務の進め方にばらつきが出てきたため、業務の標準化や質の安定につなげたい」と考える傾向もあります。「新規採用や新規出店の度に、同じ業務指導をすることは非効率的であるため、マニュアルで教育の手間を省きたい」というのも、マニュアルを活用できている企業の特徴です。
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英知コンサルティング株式会社
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<職歴>
・大蔵省(現 財務省/官僚)
・等松青木監査法人(現 有限責任監査法人トーマツ
/会計士補・公認会計士・税理士)
・東証JQ 精密機器(常務取締役 兼 CFO)
・東証JQ 小売(常務取締役 兼 CFO)
・東証一部 商社(代表取締役副社長 兼 COO)
・当社 代表取締役社長兼CEO(現任)
<学位>
博士(法 学)東京大学大学院 法学政治学研究科 博士後期課程修了
博士(経営学)一橋大学大学院 経営管理研究科 博士後期課程修了
修士(経済学)慶應義塾大学大学院 経済学研究科 博士前期課程修了
修士(心理学)早稲田大学大学院 人間科学研究科 博士前期課程修了
<登録可能資格>(現在、未登録の資格)
公認会計士、司法書士、不動産鑑定士、中小企業診断士、社会保険労務士、宅地建物取引士、公認内部監査人、CFP、臨床心理士、税理士 他
代表取締役 社長兼CEO
代表パートナー
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<専門分野>
経営戦略、営業戦略、マーケティング、間接部門改革、法務、財務、
金融、会計、税務、監査、事業承継、IPO、資産運用、不動産、
組織構築、人事制度、人事評価制度、目標管理制度、コーチング
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