最終更新日 2024年06月23日
「経営」も「人生」も、全て自分自身の「一念」によって決まります。「一念岩をも通す」です。
我が師は『人生の幸、不幸は「一念」によって決まる』とご指導されました。(2014年12月23日)
青春時代、愛読した十六世紀フランスの思想家モンテーニュの著作『エセー(随想録)』に、こんな一節があった。
「各人はその考え次第で幸福にもなり、不幸にもなる。他人が見てそう思うのではなく、自分でそう思う人が満足なのである」(『エセー(1)』原二郎訳、岩波文庫)
「幸福」の人、「満足」の人とは、どんな人か――それは、他人から幸せそうに見える人ではなく、自分自身が幸福だと思える人である、と。
他人と比べたり、見栄を張ったり、そんなことで、いつも心があせりと不満で揺れている――それでは、どんなに他の人から幸福そうに見えたとしても、何の意味もない。むしろ不幸である。人生は他の人に見せるためにあるのではない。自分自身の人生であり、自分自身が満足できるかどうかが根本である。
またモンテーニュは、こうも述べる。
「運命はわれわれに幸福も不幸も与えない。ただその素材と種子を提供するだけだ。それを、それよりも強いわれわれの心が好きなように変えたり、用いたりする。われわれの心がそれを幸福にも不幸にもする唯一の原因であり、支配者なのである」(同前)と。
運命や環境が人の幸、不幸を決めるのではない。自身の心によって決まるのである、との洞察である。
勇者は、どんな環境でも平静でいられる。臆病な人はつねに心が不安である。知恵ある人は、障害をも自分の味方にしてみせる。知恵なき人は幸運をも、つまずきの原因にする。強者にとっては、運命と戦うことすら喜びであり、弱者にとっては、人生そのものが重荷であろう。全部、自分で決まる。自分の「一念」で、一切が百八十度、違う顔を見せてくる。
幸、不幸を決定する、この「心」に、限りない「強さ」と「知恵」をわき出させていくもの――これが「一念」であり、私どもの日々の実践なのである。
トヨタ自動車は2023年1月26日、豊田 章男 社長が同年4月1日付けで代表権のある会長に就任し、後任には佐藤 恒治 執行役員が昇格すると発表しました。
豊田 章男 社長と佐藤 恒治 氏には「師弟関係」があり、特に2人の密接なつながりは、1989年に登場したレクサスの歴史のなかにあります。
かつてレサクスブランドのチーフエンジニアを任されていた佐藤 恒治 氏は、豊田 章男 社長から何度も難題を突きつけられました。ときには「できません」と答えたこともあった。それに対する豊田 章男 社長の回答は『わかってるよ、そんなこと。できないからやるんでしょ』だった。
佐藤 恒治 氏は『トヨタ家元組織革命』の中で次のように述べている。「できないものはできない、というのが技術屋の頭です。だけど(豊田 章男)社長にこう言われました。」
『今のあなた達にはできないことでしょう。だから出来る自分になればいいじゃない。自分たちが何かを変えない限りこのクルマはできないでしょう。だから自分たちを変えるところからやったら』と。
この言葉が、佐藤 恒治 氏の発想を転換させた。
「技術が高度化し、クルマの進化は行き着くところまできた。そうなった時に、新しいクルマが欲しいと思っていただくためには何をすればいいのか、みんな分からなくなっています。技術が新しい価値を創造しない限り、クルマの需要は衰退していくのです」と。
どんなことでも「強き一念」を込めて為せば、成就するという意味の諺です。出典は『韓詩外伝』『史記』。
「一念」とは、一途に思いを込めることです。物事を為すとき、岩のように堅く大きな障害があったとしても、必死になって取り組めばその壁を乗り越え、必ず成就させることができる、という意味です。この諺の由来は以下の「石虎将軍」(せっこしょうぐん)の故事にあります。
物事をするときに、岩のように堅く大きな障害があったとしても、必死になって取り組めばその壁を乗り越え必ず成就させることができる。
東洋思想に「石虎将軍」(せっこしょうぐん)の話しがあります。
中国の前漢時代に武帝に仕えた弓の名手に、李広将軍(りこうしょうぐん)という武将がいました。李広将軍は、最愛の母親を虎に食い殺されてしまい「その虎にあだ討ちをするぞ!」と「強き一念」を持ちました。
ある日、李広将軍は母親を食い殺した虎を発見し追いかけ、「母親の仇」とばかりに「強き一念」で弓矢を放つと、見事、虎に突き刺さったのでした。しかし、近づいてよく見ると、それは母を殺した虎によく似た、ただの「石」だったのでした。
その後、李広将軍は、何度もその石に向かって矢を放ちましたが、二度と石に矢は刺さることはありませんでした。このことから後世に「石虎将軍」と、呼ばれるようになったのです。
この故事は、私たちに「強き一念を持てば、何事も成就できる」「不可能を可能にすることができる」ということを教えてくれています。
40日余りで新年が始まります。思えば、12月31日から1月1日への時間の流れ自体に、特別な変化があるわけではありません。それでも「年」が改まれば、生活の実に多くのことが切り替わる。
“たった一日”の違いで新しい何かが始まる機会は、こうした社会の制度ばかりではない。
かつて、ノーベル医学生理学賞を受けた山中伸弥教授が授賞式の翌日、インタビューでこう語った。「きょうが始まり。研究者を目指した最初の日に戻って仕切り直したい」。
人は、我が一念を変革させることで、新たに使命の道を大きく切り開いていける。しかし、未来や未知の分野を開拓する先駆者には、その前進を阻むような壁が必ず立ちはだかる。
先のインタビューで山中教授も語っている。「研究を進めると、自然は思ってもいなかった新しい問題を問い掛けてくる。答えるとまた問題が現れるので、それに答えたい」。探究の志がいや増す求道者にふさわしい言葉である。
人生は、戦いを避けた瞬間から後退が始まる。障魔を前に、喜ぶ賢者となるか、退く愚者となるか――この一念の違いで一切の勝負は決まる。一念があれば、局面は必ず変えられる。
2021年11月18日
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