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最終更新日  2024年06月23日

師と仰ぐ人物を得たなら王者となれる、立派な友を得たなら覇者となれる

荀子曰く『師と仰ぐ人物を得たなら王者となれる、立派な友を得たなら覇者となれる』

荀子(じゅんし)とは

中国の春秋戦国時代末の思想家・儒学者で「性悪説」で有名

荀子は、中国の春秋戦国時代末の思想家・儒学者で「性悪説」で有名です。荀子は中国の趙(ちょう)の国に生まれ、50歳で初めて斉(せい)の国に遊学し、斉の襄王に仕え、斉が諸国から集めた学者たちを「稷下(しょくか)の学士」の祭酒(学長職)に三度任ぜられました。 

現在で言うならば、国家のシンクタンクのトップを勤めた人と言えます。日本の幕末であれば、昌平坂学問所のトップを務めた佐藤一斎や、私塾ではあるものの松下村塾を主催した吉田松陰と似たような、新しい時代をつくる人材を輩出した人物です。 

後に讒言に遭って斉を去り、楚で春申君の食客となります。蘭陵の令に抜擢されると善政を施し慕われました。春申君が暗殺されると、荀子も官を罷免されますが、そのまま蘭陵の地に住み、教育にあたりました。

荀子は特に詩・礼・易・春秋の学について造詣が深く後学への影響も大きい。弟子に韓非や李斯らがいる。後漢末期(三国志の時代)、魏の政治家で、曹操の参謀として活躍した荀彧は十三世の子孫にあたるとされています。

荀子が説く「経営者の資質」

経営者の資質

荀子曰く『師と仰ぐ人物を得たなら王者となれるし、立派な友を得たなら覇者となれる』 

荀子(じゅんし)の帝王学を説いた一節に『自ら師を得る者は王たり。友を得る者は覇たり。疑を得る者は存(そん)し、自ら謀(ぼう)を為(な)して己に若(し)くなき者は亡ぶ。』と、あります。 

現代語で表現すると、「自分を教え導いてくれる師を持てば天下の王者になれる。自分を諭してくれる友人を持てば覇者となれる。疑問をぶつけてくれる臣下を持てば国を存続させることができる。しかし、自分ですべてを処理し、臣下を無能呼ばわりするようになったのでは亡びるのも近い」という意味になります。 

これを企業経営に置換えると、「経営者が、良き師(経営の師)・良き友(経営の助言をしてくれる友)・良き部下(社員)を持てば、企業は成長・発展を続けることができる。反面、経営者が傲慢で、人を見下すようであれば「裸の王様」になり企業は衰退し滅亡する」という経営者のありようを示しています。

王者と覇者、聖臣と功臣

冒頭の一節の背景には、荀子の次のような考え方がありました。

君主は人民の源であり徳を持って人民を統治し、平和的に天下を統一しなければならない。礼(国家運営の秩序原理)を尊重し、賢者を尊敬すれば王者となる。礼に基づく法を重視し人民を愛すれば覇者となる。 

これを企業経営に置換えると、企業のTOPである経営者(社長)は「人徳」をもって企業経営にあたるべきである。経営者(社長)は法律・法令および社内規程などを遵守し、賢者(経営の師・経営の助言をしてくれる友・良き社員を尊重すれば一流の経営者(社長)になれる。更に、社員を愛すれば(大切にすれば)益々、企業は栄えるという意味です。 

さらに臣下の種類には、態臣(たいしん)、簒臣(さんしん)、功臣、聖臣というものがある。

態臣とは、動きは俊敏で巧妙、口は達者で君主にへつらい、取り入る姦悪な臣下。簒臣(さんしん)とは、君主への忠誠心などなく、自分の公人としての立場を考えず、徒党を組んで権力を握り君主を惑わす臣下(権臣ともいう)。功臣とは、君主に忠義を尽くして、人民を愛して飽くことがない臣下。聖臣(せいしん)とは、君主を尊んで人民をよく愛して教育し、変化に対してよく機転が利き、細やかに要所を押さえてさまざまな現象を制することができる臣下である、と言っています。 

よって聖臣を用いれば王者となり、功臣を用いれば組織は強く繁栄し、簒臣を用いれば自分の立場が危うくなり、態臣を用いれば亡んでしまう、というのです。

即ち、経営者(社長)が、誰の意見を用いるかによって、企業の盛衰が決定すると言っています。

性悪説によるマネジメント

荀子は性悪説で、人間の性を「悪」すなわち利己的で弱い存在であると認め、君主は「偽=後天的努力(すなわち学問を修めること)」によって善へ向かう必要があると説きました。人間の「性」(本性)は限度のない欲望であり、社会秩序なしに皆が無限の欲望を満たそうとすれば、奪い合い・殺し合いが生じて社会は混乱する。それゆえに人民は徳のある立派な君主に従い、規範(=「礼」)に従うことによって生命の安全が確保され窮乏から脱出できると考えました。 

荀子が生きた春秋戦国時代の末期では、韓(かん)、趙(ちょう)、魏(ぎ)、楚(そ)、燕(えん)、斉(さい)、そして秦(しん)の7カ国に分かれてしのぎを削っていました。封建社会において王とその一族による独断専制的な国家経営が行われ、各国間で策謀や侵略が繰り返され、中国大陸が分裂し人民が苦しんだ暗黒の時代でした。こんな欲望渦巻く時代には性善説だけでは平和な世の中を築くことはできませんでした。そんな時代を荀子は直視していたのです。 

その後、紀元前221年、秦の始皇帝による中国大陸の統一をもって戦国時代は終わりを告げました。秦では君主の徳を基本としながら、法律による法治国家に転換するとともに、優秀な人材を広く集めて登用し強い国家作りを進め、天下を統一するに至りました。

秦の始皇帝を丞相として支えたのは、趙(ちょう)の商人出身の呂不韋(りょふい)、そして楚()の出身で荀子の弟子として帝王学を身につけた李斯(りし)でした。敵国の人材でも能力があれば重用する君主の懐の深さが天下統一につながったのです。

公正な法の精神

戦乱の世を終わらせ天下統一の一助となった荀子の思想ですが、荀子は君主が学ぶべきことは「礼」であり、「礼」に従って行動するべきであると説きました。孔子や孟子も「礼」を個人の倫理のみならず国家の統治原理として捉える側面を一応持っていました。しかし荀子はそれを前面に出して「礼」を国家(企業)を統治するための技術として捉え、公正な法の精神へと発展させました。 

徳を持った君主が頂点にいて、君主が礼と法を知った官吏を従わせ、人民を法に基づいて治める。つまり統治原理として「礼」を置く法治国家の姿を描いたのです。 

この思想が荀子の弟子である李斯(りし)に受け継がれ、秦帝国の皇帝を頂点とする官僚制度を確立しました。さらに漢帝国以降の中国歴代王朝では官僚が儒学を学んで修身する統治者倫理が加わって、後世の歴代王朝の国家体制として実現することとなりました。

この思想や文化は現代の中国にも色濃く残っているように感じます。例えば、新型コロナウイルス対策においても、中国はロックダウンなど法律による強権で対応しています。一方、日本は「3密を避けましょう!」など国民一人ひとりの心に頼っている面があります。どちらが良くてどちらが悪いという問題ではなく、思想や文化の違いを感じる部分です。

荀子を現代に活かす!

孔子や孟子は徳を持った人格者による政治や経営を説きましたが、あくまで理想論であると言えるのかもしれません。一方、荀子は人の抱える欲望とそれが引き起こす現実の問題を直視し、性悪説、徳(特に礼)と法律、そして社会の縦と横の役割分担を説きました。つまり企業経営を人格論に留めず、組織論やシステム論にまで展開したのです。 

この荀子の考え方をいかに適用するかそれが大切なところです。例えば、同族でのワンマン経営で、属人的な仕事のやり方をしている会社であれば、経営者は人徳を養い、能力主義の人事で権限委譲し、システマティックな業務運営に切り替えることが必要です。 

利益至上主義、あるいは戦略や戦術が悪くて成果が出ず社員が疲弊している会社は、原点に立ち返り、社員の幸せを考えることからリ・スタートすべきです。そして合理性を重視した戦略や業務プロセスに転換することが大事です。 

また、不正や隠蔽、改竄が蔓延る会社では、ルールを破った者への厳罰を行うなど信賞必罰を徹底する必要があります。

一番問題なのは、経営者が徳(人格)の大切さに気づかず、有能な人材を殺してしまう組織です。そのような経営者の下では、口は達者で経営者にへつらい取り入る態臣(たいしん)、徒党を組んで権力を握り君主を惑わす簒臣(さんしん)が幅をきかせ、組織は早晩潰れるという運命が待っているのでしょう。

まとめ

経営者(社長)は、真に会社の成長・繁栄を考えてくれる「賢人」は誰なのかを見抜く眼力が必要です。誰の意見を用いるかによって、企業の盛衰は決まってしまうのです。

2023年11月18日

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